ふじまるぽーたる

音楽、自作好き筆者の愉快な日々の記録。

エリック・カール展

D1280254 ベストセラー絵本「はらぺこあおむし」で有名なエリック・カールの展覧会が名古屋駅にある高島屋でやっていたのでのぞいて来た。
 アタシもいちおう2歳児の親なので「何か娘にいいお土産はないかな〜」なんて気分だったんだけど、さすがに会場は女性でいっぱい、横の物販も大賑わい。若い女性やカップルなんかもいて、人気の作家なんだなぁと感心。
 展示は、手がけた絵本の原画や、書き下ろしの「あおむしイラスト」、仕掛け絵本の体験パネル、仕事場を再現したコーナーや、インタビュー映像など盛だくさん。会場内は、色とりどりの色彩であふれていて、そこに居るだけでかなり脳内リフレッシュ。いい気分転換になりました。
 基本、カール氏は、ティシューという、薄紙に彩色したものを絵の形に切り取ってコラージュする方法で絵本を作っています。大きな手で器用に剃刀の刃を操って次々と形を切り出し、ペタペタと糊を塗って貼る様子は、色紙で遊ぶ子どものようです。殆どの作品はこのように作られていて、この手法があの独特のヘタウマタッチを生むんだなと納得。
 インディペンデントアートとして、ティッシューの切れ端をコラージュした作品郡も展示してありましたが、これらはまるでテキスタイルのよう。和服をモチーフにしたものもありました。中にはセロハン様のものをループ状にしてあしらった立体的なものもあり、アーティストとして貪欲だった時代を切り取って見せてくれていました。 「はらぺこあおむし」初版時、なかなかいい色が出ないので日本で印刷した、という話がVTRで紹介されていましたが、このエピソードも魔術師と呼ばれる彼の色彩へのこだわりを示すもの。ティシューを作る時も、ピンとくるまで何層も色を重ねていくんだそうだ。
 子どもの心に響く絵本を創る作家というのは、このような濁りのない感覚、というかアーティスト性を持ち続けていて、つまりは、「天性の作家」たる子どものような感性を失わない人なんだろう。
 カラフルな色彩だけでなく、そんな感想が心に浮かんだこともあってきっと、リフレッシュできたんだろうな。
 娘のお土産には、「はらぺこあおむし」の塗り絵、最近とみにお気に入りのABCの歌が上手に歌えるように、カール氏手書きのアルファベットを並べたハンドタオル、そしていつも「1、2、3、4、6、8、9、10〜!」と得意げに間違える娘のために数字シールをゲット。シンプルなアイテムだけど、これでもってクリエイティビティを養って欲しいもんだ。