ふじまるぽーたる

音楽、自作好き筆者の愉快な日々の記録。

レコードプレイヤーの復活

D1280009 お金のない学生時代の音源入手方法といえば、レンタルCDと、大学近辺やバイト先の貸しレコード屋がたまにやるレンタル落ちレコードの格安セール。あと、バイト先の近所にあったMr.Jacketという輸入盤店でカット盤とかもよく買った。CD化の波が本格化する渦中、1枚300〜500円くらいだったように思う。
 そうやって、お金はないけど好奇心と時間はタップリある、という時期に買い集めたモロモロのレコードたちは、CD〜データ時代になってほぼお蔵入りだったんだけど、この度、先週のオーディオラック完成にあたり急にスポットライトを浴びることになった。
 就職して独立する際、実家の家族をだまして持ってきたレコードプレイヤー。6つ上の姉が、当時は高価だったろうオーディオセットを揃えた際に買ったDENONのDP-47Fだ。一時、フォノイコライザー経由で動かしていたんだけど、こないだの大掃除で捨ててしまったもんだから、再度、ヨドバシカメラでフォノイコライザーを買ってきた。
「よっしゃ、これで久々にレコードかけられるで!今夜は宴会や!」
そう張り切って接続し、相方さまリクエストの「Young Americans/David Bowie」をターンテーブルに乗せたんだけど・・・
 「シャリシャリシャリ・・・」
音が割れている。トーンアームの錘を調節してみる。
「バリバリバリ・・・・」
なんじゃ、こりゃ!・・・さらに錘を調節・・・あらららら、リフトボタンを押してもトーンアームが上がらない。重すぎ。ほんなら、と反対に錘を動かしてみる。あらららら、カートリッジが盤面を滑っていくよ〜・・・・
 持ち前の我慢強さを発揮(?)して、数十分間、あれやこれやとバランス調節してみたり、カートリッジを付け直してみたりしたけれど、どうにも変化がないので、ここでやっと、取り扱い説明書を開いてみた。よくよく読んでみたら・・・なんやねん、MM型カートリッジ用のイコライザーやんか!
 そう、ウチにあるのはMC型のカートリッジ。あまりに店員が「どんなのでも大丈夫ですヨ!!」と安請け合いするから何とな〜く嫌な予感がしたんだけど、的中。つまり、適合しないフォノイコを買って帰ってきたのだ・・・しょお〜〜〜っく!
・・・ま、メゲてても仕方ないしクヤシイので、その後ひと晩かけて、いろいろリサーチして一番よさそうなフォロー方法を探してみた。
 MM型のフォノイコを活かすには「昇圧トランス」なるものが必要。でも、+昇圧トランス代がかかる。MC型のフォノイコライザーを買うにも高価で、CDトレイが開かないおんぼろコンポにはもったいない。つか、20年以上前のプレイヤー君はどうも挙動が怪しく、どっちにしてもちゃんと動くのか不安である。
 結局、結論としては、今の狭いリビングでオンボロコンポ通して鳴らすんだったら、ひとまず安いMM型レコードプレイヤーを買いなおしたほうが効率的となった。いい音で聞きたいなら、部屋からしてモロモロ買いなおせ!ということです。
 にしても今あるMM型のフォノイコを返品せねば。
ということでヨドバシに電話したら「こちらのミスなので返品可、プレイヤーとの交換もOKで、交換時の差額も持ちます」とのこと。「なかなか良心的やんか」と思って商品持って売場に行ったら、あらまあ、「差額持つなんて言ってない」と来た。恐怖のダブルスタンダードだ!
「ハァッ?!(怒)」
メラメラメラ・・・ケンカしてやろうかと思ったけど、時間とパワーのムダなので辞め、若干の差額を払ってミニコンポ対応のシンプルプレイヤーをゲットしてきました。まぁ正直、ぜんぜん納得してないけど、怖い消費者を敵に回したと思っとけよヨドバシカメラ
 ま、恨み節はこのくらいにして。
ひと悶着もふた悶着もして手に入れたプレイヤーは、オモチャみたいに軽くて、カートリッジの指掛けも超ちゃちい。指がかからん。でも、でも。
・・・やっぱ、レコードはいいねぇ。音は実際の話、ウチの部屋ではまともには鳴りませんが、「レコードをかける」という、その行為がやっぱイイ。
 30cm角の紙ジャケットの端を両手で持って傾け、ジャケットから徐にレコードを引き出し、さらに内袋をはずして、黒くて丸い円盤の端を両手で挟んで、盤面を触らないようにそっとターンテーブルに置く。トーンアームを動かしてレコード針を落とす・・・ドキドキする瞬間。そして、プチッと針の着地音がした後、サーッとごくわずかなスクラッチ音、そして音楽が始まるのだ。
 あー、これだけで一杯イケそうやね(笑)。
今では、iPodを持ち歩き、いつでもどこでも音楽が聴ける状況だけど、一口に「音楽鑑賞」といってもいろんな形があるって実感。音楽ソフトの売れ行きが落ちている中、ライブなど生演奏の業績は逆に上がってきているというし、ひところ「所有欲を満足させるパッケージ商品」か「汎用性の高さを誇る音楽ファイル」か、ってんで激論したこともあったけど、やはり音楽ファンとしては、それぞれの楽しみ方を、好きなときに好きなだけ楽しみたい。レコードプレイヤーが復活した今、懐かしい曲を当時のライナーノーツ読みながら聴き、譜面みたいにでっかい歌詞カードを見ながら激唱する、っていう楽しみもあるしね。