ふじまるぽーたる

音楽、自作好き筆者の愉快な日々の記録。

カラヴァッジョ展〜トラウマ絵画に再会

同窓会のついでに、何か美術館でも、ということで上野のカラヴァッジョ展へ。
正直リサーチ不足だったので迷っていたのだけど、昨夜よく飲んだので(笑)東京駅に近い上野をチョイス、カラヴァッジョに白羽の矢が立ったというわけ。
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まずはゆっくり鑑賞をと思い映像資料のモニター前に座ると、何やら見覚えのあるご尊顔が。
なんと北村一輝が音声ガイド。
…彼の声を聞きながらカラヴァッジョの絵を観る…
一も二もなくオプションを選ぶ私(笑
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彼の声に誘われて鑑賞を進めましたが、想いもよらない再会が待っていました。
メデューサの首」です。

ギリシャ神話の怪物、メデューサ
有名なこの絵は、恐ろしいメデューサ伝説とセットで子供心に刻み込まれていました。その頃は画家が誰かなんて知る由もなく。でも、私の中でのメデューサといえば、この絵。
歪んだ口、こっちを凝視する目。
何十年ぶりでしょうか。
展覧会の予備知識なく見たものだから、突然の再会。

大人になってからカラヴァッジョを好きになったのは、そのドラマチックな明暗法あってのことでしたが、ここにきて記憶がつながるとは。
感激です。

そして今回の目玉、世界初公開の「法悦のマグダラのマリア」。
暗闇に青白い肢体が際立つ様には、そのシンプルな画面に反して、さまざまな意味が幾重にも塗り込められたような、怨念じみた迫力がありました。

ナルキッソス、タバコを吸う男…展示はカラヴァッジョだけでなく、ラトゥールなど影響を受けた継承者たちの作品、本邦初公開の作品も多く、新ためてカラヴァッジョの偉大さと、自分の好みへの影響を感じざるをえませんでした。もちろん、分厚い図録を連れて帰ったのは言うまでもありません。

音声ガイドは、滑舌の悪さにヒヤヒヤさせられつつも、最後には彼の「ホモ!」「ホモ!」という叫びまで聞けて、ホントにお得なオプションでした(笑
どうやらNHKのカラヴァッジョ特番にも出るらしく、これも楽しみです。
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