ふじまるぽーたる

音楽、自作好き筆者の愉快な日々の記録。

【古書捕獲記録】物体としての本

最近、我が家では古書店巡りがブームだ。

古書店のご主人が言っていたこと。
店にあるたくさんのデザイン関連の大判洋書は、とあるデザイン会社の社長がトラックで持って来たもの。
「最近の若いデザイナーは、デザインの参考って言ってもインターネットを使うもんだから、こういう本はもう役に立たないんだよ」
と嘆きつつ、置いていったそうな。

その店で見つけた古書『はてしない物語』。
ネバーエンディングストーリー
1982年の第5版。
かねてから“古書で”探していたものだ。

2匹の蛇が楕円形に繋がった、あかがね色の布表紙。
きれいな大きい飾り文字。

2色刷りのフォント。
そして古書。

リアルなバスチアン体験のはじまりだ。

この物語を読むならハードカバーで! 
というお薦めどおり、ファンタジー本の醍醐味を満喫できる仕掛けにため息。
(ちなみに、ちゃんと新刊もあります)

件の社長が置いていった本もいくつか買って帰った。
中身は英語だったりドイツ語だったりするし、情報として古いものももちろんあるけど、
装丁がすてき、インクの色味がすてき、紙質がすてき。

誰が買って、どう使って、どう手放したか。
時を経て、古書として流れ流れるほど、文字や絵以外にいろんなものを携えることができる本って面白い。
さて私は、これらの本を次に誰に手渡すのだろうか。