ふじまるぽーたる

音楽、自作好き筆者の愉快な日々の記録。

ジョー・ストラマー似のステキおやじ

 世の中、似ている人が3人は存在するとよく言われている。アタシも常々、電車の中でスティーブン・タイラーに激似のおばあちゃんを発見したり、伊藤英明にそっくりなおじさんに爆笑したりしているんだけれども、先日はちょっとドキッとする出会いがあった。
 仕事で滋賀県の某工務店へ取材に行ったんだけど、そこの社長は日本の伝統工法建築を現在に再構築しようと孤軍奮闘している方。彼の真正面に座り、力説する姿をジッと見ているうちに、そのタレ気味の目、ちょっと波打った髪、少し弛みが来てるもののガッチリした体躯が、初対面ではないような気がしてきた。
 そう、ボロボロのテレキャスターを持たせればジョー・ストラマーにそっくりなのだ。年齢も同じくらいだろうか。髪には白いものがたくさん混じっているため、ジョーがもうちょっと長く生きていたらこんな感じになっただろうな、と思わせる風貌だ。
 取材の中では、日本の建築基準法のダメぶり、それを推進する東大教授連中のアホぶりを大いにぶちまけるなど過激な発言も。でも、社員である若い大工たちの仕事ぶりをうれしそうに話す姿などはとても優しく、あたたかい人柄がにじみ出ていた。
 2001年、ジョー最後のジャパンツアー。栄枯盛衰、紆余曲折を経て等身大の自身のバンドとして来日、バスキング時代からの盟友タイモン・ドッグを帯同して地に足の着いた、ハートフルでリラックスしたステージを見せていた。そんなジョーを見て「将来、いいおやじロッカーになるな」と予感したものだった。その予感は残念ながらもうかなうことはないんだけれども。
 この工務店の社長の話も、聞けば聞くほど人生波乱万丈。彼の顔には、それを乗り越えてきた男の強さと優しさのようなものが刻まれていたんだろうね。それがアタシの中で「パンクとは誠実さであり、シンプルでストレートな生き方のこと」と最後に語っていたジョーの姿とダブったんだろう。ぜひ、おやじロッカーのように、いつまでも熱くてカッコいい人でいてほしいもんだ。